療育と保育の違いは?簡単にいうと「ねらい」のあり方

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クラスにいる気になる子。

1歳半検診や、3歳検診などで引っ掛かり、療育を勧められ通うようになったけど、療育ってどんなことをしてるの?

そんな疑問を持つ保育士さんが多いようです。

mozせんせい
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そこで今回は「療育」とは何なのか、「保育」との違いはあるのか?という疑問にお答えしたいと思います。

 

こんな方におすすめ

クラスの子が療育に通い始め、療育についてもっと知りたいと思った方
気になる子を療育に勧めたいので、具体的に療育と保育の違いを理解したい方
発達支援に興味がある方

「療育」と「保育」の違いは‟ねらい”

結論からいうと、「療育」と「保育」の違いは、保育士が提供する活動のねらい設定の違いだと思うと理解しやすいと思います。

療育の施設では、もちろん専門的なトレーニングも行われていますが、案外保育園で行われている遊びと同じような活動をしていることも多いんです。

え?そうなの?

と思いましたよね。

実際に療育施設の見学に行ったことがありますが、

「おままごと」
「マット遊び」
「洗濯ばさみ遊び」
「小麦粉粘土」 など

このような、保育園でも頻繁に取り入れられている遊びもたくさん行っています。

もちろん療育施設ならではの特別なトレーニングの用品もたくさんそろっていますが、思いのほか、同じようなおもちゃがあることに驚きました。

mozせんせい
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療育と聞くと、あたかも専門的なトレーニングばかりずっとしているイメージがありましたが、見学を機に療育のイメージが少しアットホームに感じました。

では、私が療育施設の見学や勉強会を通じて感じた、「保育とは」「療育とは」という個々の視点で、少し掘り下げていきたいと思います。

ねらいの違い具体例

保育と療育の簡単な違いについてイメージが付いたところで、より深く理解してもらえるよう、具体例を紹介したいと思います。

実際に保育園で行われている遊びも、少し視点を変えると、素敵な「療育」になるとこに気づいてもらえればと思います。

 

おままごと遊びのねらい

【保育】

  • 見立てあそびをする想像力を育む
  • 簡単な言葉のやり取りを楽しむ
  • 自分のイメージを他者と共有することを楽しむ
  • 自分のイメージを表現する楽しさを味わう

 

年齢によってさまざまですが、保育園のおけるおままごとのねらいは、大まかにこのようなねらいが考えられます。

【療育】

  • 他者の気持ちに気づいたり、協調性に欠けている姿が気になるから、おままごとを通して学んでもらう
  • 言葉の発達が遅めなので、おままごとを通じて言葉の獲得を目指す
  • 食事の際、食具ではなく手で食べることが多いので、おままごとと通じて持ち方や手の動きを学ぶ

いかがでしょうか。

 

おままごとを通じて〇〇の発達をしてもらう、という発想よりも、その子の発達で欠けている部分が〇〇だから、おままごとを通して経験値を増やす。

このようなねらいの定め方で、療育施設ではおままごとを療育に取り入れています。

マット遊びのねらい

 

【保育】

  • 雨の日でもたくさん体を動かして遊ぶことを楽しむ
  • 転がったり、跳んだり、ハイハイをしたり、様々な動きを楽しむ
  • トンネルくぐりなど、日常での動きとは違う動きを遊びの中に取り入れ体の動かし方を知る
  • 順番を守りながら、お友達とのコミュニケーションを図る

年齢によってねらいは少しずつ変化しますが、大まかなマット運動のねらいはこんな感じですよね。

メインは「日常では行わない体の動かし方を経験する」ことにあると思います。

【療育】

  • つま先立ちが多く、体幹がしっかりとしていない子に対し、マットの上を歩くことで足の裏の使い方を経験させる
  • 体幹を鍛えるために、マットで作った斜面を登る
  • 転ぶことへの恐怖がある子に、転ぶ恐怖を減らすためにマット運動をする
  • 体操など自分の身体を動かすことが苦手な子に対し、バランス感覚を楽しく身に着けてもらう
  • 姿勢を保つことが難しいので、マット遊びで楽しく筋力をつける

マット遊びにおいても、保育とのねらいの違いを感じてもらえたでしょうか。

 

分かりやす言うと、「こんな苦手があるから、マット遊びを行い、適応できる力を付けていく」、というねらいの設定方法でマット遊び行うことが多いんです。

洗濯ばさみ遊びのねらい

 

【保育】

  • 指先の発達を促す
  • 力加減を身に着ける
  • 想像力を養う

洗濯ばさみと台紙やハンカチなど利用して、洗濯ばさみ遊びを取り入れている園もたくさんあるかと思います。

 

保育現場における洗濯ばさみ遊びのねらいは「遊びを通して、指先の発達が成長していく」という部分にありますよね。

【療育】

  • 細かい作業が苦手なので、指先の使い方を学んでもらう
  • 手先が不器用で着替えが苦手なので、洗濯ばさみ遊びで指先をたくさん動かす

 

発達に凸凹のあるお子さんは、手先が不器用なことが多く、着替えや製作などが苦手な子が多い傾向にあります。

 

そのため、療育施設では、指先のトレーニングのために「洗濯ばさみ遊び」を取り入れている施設が多くあります。この洗濯ばさみ遊びも、前述した遊び同様「指先の動かし方を知らないから、遊びを通して学ぶ」「着替えが苦手で、ボタンが自分でかけられずパニックになってしまうから、指先の発達を促す」というねらいの定め方をしています。

粘土・小麦粉粘土あそびのねらい

 

 

【保育】

  • 粘土の感触を味わう
  • 子どもたちの創造力のを膨らませながら遊ぶ
  • 細かな作業を通じて、手先が器用になる
  • いろいろな形を作り、表現することを楽しむ
  • 粘土の感触を楽しむことで、触覚の感性を育む
  • 粘土を潰したり形を作ったりすることで、手や指先の力がつく
  • 長い時間をかけて1つの作品を作ることで、集中力がつ

保育の現場では、粘土遊びを通して、感覚的な部分や、想像力、表現力、指先の機能などの発達を促すことをねらいとしていますよね。

 

先生見て!できたよ!という達成感を味わうことを楽しんでいる子も多くいるかと思います。

 

【療育】

  • 感覚過敏の症状があるので、小麦粉粘土遊びを少しずつ取り入れ、慣れていけるようにする
  • 抽象的な言葉が理解しにくいので、コロコロ丸める、びよーんと伸びる、プチっとちぎる、などのことばの理解がうながしながら粘土遊びを楽しむ
  • 指先の力が弱いので、粘土遊びでちぎったり丸めたりし、指先の発達を促す
  • 集中力が続かない姿が目立つので、粘土遊びを通して夢中になって集中する力を育む

発達に凸凹のあるお子さんは、感覚が過敏または鈍い子が多くいます。

 

なので、療育で粘土遊びや小麦粉粘土を取り入れる場合は、「感覚的な部分が苦手だから、粘土遊びを少しずつ取り入れ慣れていけるようにする。」と言いうことをねらいにしています。

このように、保育園で行っている遊びと同じ遊びを、療育でも取り入れていることが分かっていただけたかと思います。

 

ただ、その遊びを提供する側の「ねらい」がどこにあるのか。

 

そのねらいを達成するために、どんな働きかけをするといいのか、というところに大きな違いがあると感じています。

【結論】療育と保育は似ているところが多い

最終的な結論として、療育とは保育は、活動自体は似ているが、その「ねらい」の設定に大きな違いがある。ということが伝わったでしょうか。

療育は、基本的に「1対1」や「2~4対1」。というように活動の内容や目の前にいる子どもの発達に合わせて、小規模で行います。

集団での躓き(凸凹)を少しでも緩やかにしていくために、スモールステップで、苦手な事や課題を対処してできるやり方を学んでいきます。

 

1対1での関わりの中で、できることが増えていく

小規模集団での遊びを取り入れていく

大きな集団の中で一緒に活動する(保育園等)

大きな集団の中でも、困ることなく生活していける力を育んでいく、という部分が療育の大きな目標であり、それに必要な援助をしているのが療育という立ち位置だと思います。

実際に療育施設を見学しても、

「あれ?保育園と同じおままごとをしているだけなんだ」

と感じるかもしれませんが、そこに携わる大人が、どんなねらいを持って、そのためにどんな声掛けが必要なのか。というところに着目すると、療育という概念が少し理解できるのかな、と思います。

mozせんせい
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療育は、その子のちょっと苦手という凸凹の部分だけピックアップして、できるだけ凸凹を小さくしてく関わりをすること。という捉え方が、個人的に一番しっくりくる捉え方だと思っています。

療育に関する知識がもっとほしい、スキルアップしたいという方におすすめの記事もあるので参考にしてください。

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