保育士の仕事をしていると、子どもの気になる姿に目が行きがちですよね。
わがままばばかり言っている
いつもおしゃべりばかりで、話を聞いていない
自分勝手に遊んでいる
マイペースで活動についてくることが難しい・・・
あ~・・・いつもそんなことばかり感じているかも・・と心当たりありませんか?
連絡帳や、保育記録を書こう!と思った時に、気になる姿ばかりが思い浮かび、どんな表現をしたらいいんだろう?と迷うことありますよね。
そこで、今回はリフレーミングを紹介していきます。
リフレーミングの捉え方を身に付け、更に保育力を高めていきましょう!!
プラスの視点を意識することで、今の保育がグッと素敵なものになりますよ。
目次
リフレーミング
「リフレーミング」という言葉を聞いたことがありますか?
リフレーミングとは、「心理的な出来事のフレーム(枠組み)を別の視点から見る」ということを意味する心理学的用語です。
例えば同じ姿でも、マイナスの視点で見るか、プラスの視点で見るかによって、印象が全然違ってくるということを意味します。
水が半分入ったコップ
これは有名な例え方です。
このコップを見て、「水が半分入っている」ということを、あなたならどう表現しますか?
①「もう半分しかない」
②「まだ半分もある」
ちょっとした表現の違いですが、この2つの言い回しにには異なる認知的評価があります。
前者は、「もう〇〇しかない」という、少しマイナスイメージを持った言葉なのに対し、後者は、「まだある」というプラスなイメージを含む捉え方になるんです。
後者のように「まだ半分もある」と捉えたほうが、ストレスの程度が低く感じませんか?
つまり、この捉え方が「リフレーミング」というわけです。
このように、リフレーミングで異なる捉え方をすることで、状況が変えられなくてもストレスを軽減したり、モチベーションを高めたりする効果があるといわれています。
プラスの言葉に変換する
おしゃべりが多い
↓
話すことが上手
よく気が付く
自分の意見がしっかり声に出せる
リフレーミングで大切なのは、考え方をプラスの方向に転換すること。
「この子っていつもおしゃべりばかり」そう感じる姿も、「話すことが上手」「よく気が付く」「自分の意見をしっかり声に出せる」とプラスの捉え方に変換し声に出すことを意識してください。
よくないと感じてしまう行動なども、言い換えてみると、それ以外のその子の姿もまた違って見えるようになってくるはずです。
言い換えの言葉一覧
そこで保育現場で私自身が感じることの多い出来事や、子どもの姿の捉え方を、リフレーミングして一覧化してみました。
これはあくまで一例なので、もっといい表現の仕方を考えていただいて大丈夫です。
わがまま | 自分をしっかり持っている、軸がしっかりしている |
落ち着きがない | 好奇心旺盛・いろいろなことに興味がある |
おとなしい | 相手のことを考えられる・穏やか・周りの意見を聞ける |
毎日大泣き | 毎日、元気いっぱい |
飽きっぽい | 興味のあることが多い |
頑固 | 強い意志を持っている・自己主張がしっかりとできる |
すぐにふざける | ユーモアあふれる |
おしゃべり | 社交的・親しみやすい・お話が上手 |
マイペース | 他人に左右されない・おおらか |
ちょっかいをかける | 自分から関わりを持つ力がある |
のんびりしている | 細かいことにこだわらない |
いい加減 | おおらか |
気が弱い | 優しい |
かっとしやすい | 情熱的・自分の意思をはっきり持っている |
調子にのりやすい | 雰囲気を明るくする |
一覧に書いたものの中から、少しだけピックアップして詳細をお話していきます。
わがまま→意志が強い
「Aちゃんはわがままばかり言っている」と感じていると、Aちゃんは悪者のような印象を与えがち。
更に、そう思いながら保育をしているを、どんどんマイナスな印象になり、それが態度に出てしまいます。他の先生からも ‟Aちゃん=わがまま” と見られるようになってしまいます。
そこでわがままを言い換えると
「自分の考えをしっかり持っている」
「軸がしっかりしている」
「意志が強い」
どうでしょうか?
一気に良い印象になり、「Aちゃんって芯の強い子で素敵なのね。」というように、周りからの見え方が変わってきませんか?
すぐにふざける→ユーモアあふれる
すぐにふざける子って、一クラスに一人は必ずいますよね。
真剣に話をしているときにふざけられると、「もう!いつもふざけてばかり」という言葉が出てきがち・・・
でも先生が、
「ユーモアあふれる発言が多くて面白い子♪」
こう捉えたらどうでしょう?
短所のように見える行動も、周りを明るくさせてくれる、その子の素敵な個性に見えてきますよね。
飽きっぽい→興味のあることが多い
遊びが全然持続せず、次から次へとおもちゃを出す子、いますよね。製作活動が最後まで取り組めなかったり、すぐに集中が切れてしまったり。
飽きっぽい性格なのかもしれませんが、考え方を変えてみると・・・
「興味のあることが多い」
興味のあることが多い子なのかもしれません。本当にやりたいことを模索中なのかもしれません。
先生の勝手な判断で、飽きっぽい子だと決めつけてしまうのではなく、「次はどんなことに興味を持つのかな?」「鉄棒はいつもより、長い時間遊べていたな」・・・
など、ちょっと違う目線で捉えられるようになると、先生の気持ちも幾分楽になるはずです。
マイペース→他人に左右されない
マイペースとは他人にふりまわされず、自分のペースと価値観を大切にして生きていくことなのですが、なぜか「マイペースだよね」と言われると、少しマイナスな印象になりますよね。
「他人に左右されない」
「自分の意志を貫くことが出来る」
「いつも自然体」
このように言い換えることで、印象はがらりと変わります。
他人に左右されず意志を貫くことが出来ることも、案外大切なことですよね。
このように、ちょっと気になる行動や、気になる姿を書類に書いたり、他の先生に伝えるときに、こんな風にプラスの印象を与える言い方で伝えられるといいですよね。
保育現場での取り入れ方
簡単に一覧にまとめましたが、分かってはいるんだけど、なかなか取り入れることが出来ない!つい「あの子はちょっとわがままなところあるよね・・・」と捉えてしまう・・・・
という保育士さんが多いのも事実。
そこで、どのように取り入れたらいいのか、私自身の経験をもとに取り入れ方のアドバイスをしておきます。
少しずつ心がける
急にはできなくて大丈夫です。気づいた今がスタートです。
リフレーミングを日常でも仕事でも常に意識し、実践しながら癖付けしていくことで、早く習得することができます。
つい、一つの出来事や、その時の感情で「あの子は〇〇だから困る・・・」という捉え方をしてしまうのも、本当によく分かるのですが、今日からは安定したマインドを保ち、短所を長所としてとらえていく練習をしましょう。
深呼吸
ん゛~~~~!!!と思う瞬間、ありませんか?
私はめちゃくちゃあります。保育士をしていますが、結構短気なんです・・・
そんな時は一旦深呼吸。
自分の感情を優先すると、どうしてもマイナスな表現になってしまうので、そんな時は深呼吸してみましょう。
心を落ち着かせることで、マイナスなワードをリフレーミングして声に出しやすくなります。
とにかく声に出す、紙に書く
知識として理解できたなら、次のステップはアウトプットです。アウトプットすることで、より自分の血肉となってきます。
プラスの言葉に変えて、それをできるだけ声に出していきましょう。
保護者に伝えるときや、書類を書く時にぜひ心掛けて実践してみてください。
リフレ―ミングが与える効果
最後に、リフレーミングを意識することで、どんな影響があるのかについて少し紹介したいと思います。
モチベーションアップに繋がる
記録に書く時にプラスの言葉でかけるようになる
連絡帳に書く文章の印象が良くなる
目的意識のある指導案が書けるようになる
子どもへの接し方や捉え方が変わる
要録が書きやすくなる
子どもをとらえる目線や考え方が変わり、かかわり方がよくなる
自分に自信が持てる
リフレーミングを取り入れることで、保育の質がグンとアップすることが伝わったでしょうか。
これは私が感じたことですが、今回紹介したようなリフレーミングを意識することで、指導案や連絡ノートを書く時のちょっと困ったが解決できるようになりました。
マイナスな視点も必要なので大丈夫
この記事を読んで、「あ~・・・私はマイナスな表現ばかりでダメな保育士だ・・・」とモチベーションが下がっていませんか?
これは現場で働く一保育士としての考えなのですが、どうしても子どもの姿をマイナスに捉えてしまうところ、気になる行動ばかりに目が行ってしまうところ。これは ‟先生” として当たり前だと思っています。
その理由としては、マイナスな捉え方があるからこそ、その子の苦手なところに目を向け、もっとできるようにしてあげることができ、個人的な発達の目標を立てることにつながっていくからです。
マイナスな視点は指導案などを書く時には、とても大切な視点です。
なので、そういう視点も残しつつ、その姿はどう言い換えたらいいのかな?という考え方で、少しずつ変換できる力を身に着けてほしいと思います。
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保育士さんって毎日とても忙しく、本を読む時間を確保することは難しいかもしれませんが、一度手に取って読んでみてほしい本を紹介します。
同じような本なのですが、日常生活向けと、働く人向けの内容の2種類紹介します。
この本を読んでいると、「あ~、私言ってる・・・」と当てはまる事が多くショックを受けるかもしれません。しかしその言い方がなぜよくないのか、どう改善したら、相手にとって良い表現になるのか、ということを学ぶことができます。
中身も、とても読みやすく、集中すれば1時間もかからず読み切ってしまえるので、個人的におすすめです!
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