保育士間の人間関係*改善のコツは言い換えの法則(先輩・上司ver)

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保育士間の人間関係についての悩みは常に付き物。大きな会社と違って、人数の少ない園内での人間関係は少しでもこじれると、ずーっと苦痛になってしまいますよね。

雰囲気の良い職場は子どもの成長にとっても欠かせない環境です。

そこで、人間関係のいい職場、雰囲気のいい職場にするための秘策を教えちゃいます!!

言い換えの法則

巷でもブームになっている書籍がたくさんありますよね。

私が参考にしているいくつかの本をもとに、保育現場で使えそうな言い換えの法則を紹介していきます!

mozせんせい
mozせんせい

プラスの言葉でみんなハッピー!!分かりやすい伝え方や雰囲気を身につければ、職場の雰囲気もグンッっとよくなりますよ!

具体的な言葉が好印象

基本的に良い雰囲気作りの基盤となるのは先輩保育士さんです。相手を思って声をかけているようで、実は配慮が足りてない・・・なんてことも。

日々の指導や、声のかけ方も実はほんの少しの意識で、人間関係がガラっと変わりますよ。

まずは、具体的な声のかけ方について。

何でも聞いてね

「何でも聞いてね」

後輩が困っていそう・・と感じたときに、「何でも聞いてね!」という言葉を使ったことはありませんか?

実はこの「何でも」という表現、言われた人にしてみると、案外困ってしまう言い回しなんです。

「何でも」は、人によって範囲が違います。

 

ある程度分かり合えている仲なら、何でもは本当に「何でも」かもしれませんが、そうでない場合には「え、そんなことまで聞いてくるの?」と感じてしまう場合もあります。また、保育のことがよく分かっていないと「何でも聞いて」は放ったらかしにされているように感じ、疎外感が生まれてしまうこともあります。

そこで、「何でも」の範囲をしっかりと言葉に出してみましょう。

「何でも聞いてね」

   ↓

「指導案の書き方で分からないことがあったら、何でも聞いてね」

 

いかがでしょうか?

指導案の書き方で分からないことがあったら何でも聞いてね。と「何でも」の範囲を決めることで、質問する側も何を聞いたらいいのか、先輩が何を教えてくれようとしているのかがより明確になり、コミュニケーションが円滑に進みます。

あなたならできるよね、できるだけ早めにやって

「これやっといて。あなたならできるよね。できるだけ早めにお願い」

相手のことを尊重して、「あなただからできる」と言っているようですが、お願いされた側としては、ただ押し付けられたように感じてしまいます。

 

また、できるだけ早めにという表現は人によってできるだけの感じ方が違うので注意が必要です。今日中なのか、今任されている仕事が終わってからでいいのか・・任された方は困ってしまいます。できれば、何日頃など具体的な数字で伝えるといいでしょう。

もっと具体的に言うと、その業務が何のために必要なのかという理由も伝えると、頼まれた側も快く引き受けてくれるはずです。

「これやっといて。あなたならできるよね。できるだけ早めにお願い」

   ↓

「この業務はあなたに任せたいけどいいかな?できれば行事前にチェックしたいから今週の木曜までにお願いできる?」

このように、任せたいというあなたの願望や気持ちを入れることで、相手の心に響きやすくなります。そして「できるだけ早く」も、行事のために〇〇日までになど、具体的な見通しを伝えると、より分かりやすく印象の良い言葉かけになるでしょう。

困っている後輩に対して

新人保育士や経験の保育士は、日々困りごとがたくさんあり、きっと悩んでいる場合が多いと思います。それを先輩が気づいてあげ、どのように声を掛けているのかも円滑なコミュニケーションに関わってきます。

そんなのたいしたことないよ

そんなのたいしたことないよ

たくさんの経験を積んできた先輩から見ると、新人保育士の悩みなんてたいしたことが無いように見えてしまうようです。そんなときに軽い気持ちで「たいしたことないよ、大丈夫!」と声を掛けていませんか?

でも「たいしたこ」かどうかは、あなたの物差しで決めてはいけません。たいしたことかどうかは当事者にしか分からないんです

更に、「たいしたことないよ」という言葉は、「あなたの悩みなんて無意味で価値がない」というニュアンスで相手に捉えられてしまいます。

本人にしてみたら、「こんなに困っているのに・・・」「こんなに悩んでいるのに・・・」と、とても深いな気持ちを招きます。

そこで、本当に相手のことを気にかけているのなら、相手がどんなことで落ち込んでいるのかを ‟アドバイス” ではなく、 ‟耳を傾ける” に変換してみましょう。

そんなの大したことないよ

   ↓

何かに困っているの?心配なことがあれば相談に乗るよ?

あれこれとアドバイスするよりも、相手の気持ちに寄り添い、具体的に耳を傾けてあげるような声掛けを心がけましょう。そして、後輩の心の内をいろいろと吐き出してもらうのです。

そうすることで本人もすっきりした気持ちになり、「いろいろ聞いてもらえてよかった」と感じてもらえるようになります。

なんとかなるよ

なんとかなるよ

 後輩の悩みを聞いていると、相槌に困っていつの間にか「なんとかなるよ」と声をかけがちなようです。私自身も、後輩の悩みを聞いていて、返答に困り「なんとかなるよ」と何度か答えてしまった経験があります。

でも思い返してみると、自分が新人だった頃、「まぁ、こんな感じで何とかなるよ」と言われ、なんともならなかった経験があります。

その時は内心で「先輩がなんとかなるって言ったのに!!!」と恨むような感情を抱きました。

「なんとかなるよ」という根拠のない励ましはやめにしましょう。

困りごとがあって相談しているのに、なんとかなるという言葉は、どこか投げやり。この人に相談してもこれ以上は無駄だ・・と感じてしまいます。

そこで相手を思いやる声に変換してみましょう。

なんとかなるよ

  ↓

どこを困っているの?どうすればいいか、いい方法はないか一緒に考えよう?

具体的かつ親身なこえのかけ方に変換しました。そうすることで、この先輩は、私の悩みに対し親身に耳を傾けて聞いてくれた。というプラスの感情が芽生え、お互いの関係も良好になってきます。

実際に後輩の悩みの内容は「なんとかなる」と感じることだったとしても、「何がどのようになんとかなるのか」という具体的な言葉があるとないのでは、大きく違ってくるんですね。

mozせんせい
mozせんせい

後輩の気持ちを奮い立たせてあげられる、やる気を出させてあげられる、そんな声掛けも先輩先生の役割です。

プラス言葉が好印象

今まで言わなかったけど・・・

今まで言わなかったけど、その声のかけ方はよくないよ

 ずっと言おうかどうか悩んでいたことを伝えるとき、こんな風に言っていませんか?ずっと言わずに我慢してきた分、感情が高まり冷静な言葉選びができにくくなってしまうんです。

しかし、「今まで言わなかったけど」という言葉は、とても威圧感があり、相手からするととても攻撃的に感じてしまいます。

また「今まで言わなかった」ということは、いつもずっとそう思われていたんだな・・・と相手へのダメージがかなり大きくなってしまうんです。

そこで、どうしても言いたいことがある場合は、プラスな言い回しを取り入れてみましょう。

今まで言わなかったけど、その声のかけ方はよくないよ

   ↓   

そういう声のかけ方もあるけど、こうしてみたらもっと良くなるんじゃないかな?

「よくないよ」と否定的な声をかけるのではなく、提案という形で、「こうしたらもっと良くなるかも!」という声のかけ方に変換してみました。

そうすることで、相手の人格否定にもならず、言いにくいことも伝えやすくなるはずです。

不満や要望は、相手を責めるのではなく、主語を ‟ I ” (自分)にし、自分がどう思うかを伝えるようにしましょう。

mozせんせい
mozせんせい

これは子どもとのかかわりでも、私がいつも心掛けていることです。

そもそも、指導案がよくない

どうしてこの活動にしたの?そもそも指導案自体がよくないと思うよ

後輩が一生懸命指導案を書いてきて、チェックしてほしいとお願いしてくることもありますよね。

そんな時、経験年数の豊富な先生からしてみたら、こんな指導案を書かないと感じることもきっとあると思います。

そんな時に、ついつい言ってしまいがちな一言ですね。

一生懸命考えて書いた指導案なのに、「そもそも」という一言で、すべてを否定する形になってしまっています。そんなときは、まず、相手の頑張りを認めたうえで、もう少し相手の気持ちを聞き出すような声掛けに変えてみましょう。

どうしてこの活動にしたの?そもそも指導案自体がよくないと思うよ

   ↓

指導案、頑張って書いたんだね。これはどういう思いから?

そのほかにも、
「活動のねらいがはっきりしていないから、もっと〇〇にしてみたら?」
「〇〇というねらいがあるなら、こんな活動を取り入れたらどうかな?」

など、後輩の先生の気持ちや考えを取り入れ、寄り添った声掛けをしてみるといいでしょう。

なんでミスをしたの?

なんでミスをしたの?

ミスをしてしまった上に、なんで?という一言は、かなりダメージが大きいワードだと思います。

なんでなのか理由を聞きたくなり、強めの口調になってしまうのもよく分かります。でもミスをしたくてミスをする先生はいないですよね。

なんで?と問い詰めるのではなく、どうしてその出来事が起きてしまったのか後輩の先生が考えられるような声のかけ方に変換し、更に、どうしたらそのミスが起きなかったのかを気が付けるようにしてくといいでしょう。

なんでミスをしたの?

  ↓

どうしたらこのミスを防げると思う?

ミスをしてしまったことはもう変えられない事実です。そこを問い詰め責めるのではなく、この先そうならないためにどうしたらいいのかを気が付けるように促していきましょう。

そうすることで、その先生自身の保育力もレベルアップし、園全体の保育力の向上にもつながっていくでしょう。

園の雰囲気は先生の心がけで変わる

後輩の動きが悪いのに、どうして私ばかり配慮した声掛けをしなきゃいけないの?

そんな風に感じてしまう先生も中にはいるかもしれません。

保育系のブログや記事を見ていると、心が神なのか?と思うほど、優しい考え方で、おおらかな先生ばかりに驚きます。私自身は、「何で!?」「怒れてきちゃう!」そんなことを感じるとき、たくさんあります。

でも、上に立つ対場として、思っても口には出しませんし、態度にも出しません。そこで私がちょっと心掛けることで園全体の雰囲気が良くなるのであれば、それは子どもたちにとって、とてつもなく素敵な環境設定になります。

どうしても怒れてきちゃうことがあってもいいんです。文句や愚痴があってもいいんです。ただそれを、保育の現場に持ち込まないこと。それだけは徹底してほしいと思います。

mozせんせい
mozせんせい

後輩を育てることも、先生たちの大切な業務です。それはどんな会社でも同じこと。

ぜひ紹介したような「言い換えの法則」を頭の片隅に置き、勢いで相手に話すのではなく、一呼吸おいてから、相手にとっても自分にとってもいプラスになるコミュニケーション能力を身に着けてほしいと思います。

参考文献

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