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この2つの資格、どっちがいいの?保育士の間で人気の発達支援資格
保育士に注目されている2つの資格
保育現場では発達に特性のある子どもへの対応スキルが年々重要になっています。
「気になる子」への適切な関わり方や保護者支援の方法を学びたいと考える保育士が増える中、注目を集めているのが「子ども発達障がい支援アドバイザー」と「子ども発達障がい支援実務士」という2つの資格です。
保育士として働きながらキャリアアップを目指す方にとって、どちらの資格がより役立つのでしょうか?
現場経験から見た両資格の違いを徹底比較していきます。
どちらもユーキャンの人気講座!でも中身はかなり違う
両資格はユーキャンが提供する通信講座で、どちらも同じ価格(34,000円・税込)で受講できますが、学べる内容や目指す方向性には大きな違いがあります。
保育現場での立場や経験年数、将来のキャリアプランによって、選ぶべき資格は変わってきます。
子ども発達障がい支援アドバイザーとは?

資格の特徴と学べる内容
子ども発達障がい支援アドバイザーは、発達障がいの基礎知識と日常的な支援方法を中心に学ぶ資格です。
保育現場で特に役立つ内容として以下のような点が挙げられます。
- 発達障がいの基本的な特性理解(自閉スペクトラム症、ADHD、LD等)
- 「気になる子」の行動の意味と背景
- 保育活動の中での具体的な配慮点
- 保護者への伝え方と相談対応のコツ
- 園内での情報共有の方法
比較的取り組みやすい内容で、保育経験が浅い方でも無理なく学習できるのが特徴です。
テキスト2冊のほか、実例集や絵カード48枚、支援ワークブックなどの実践的な副教材も提供されています。
現場での活かし方(保護者対応・基本的な理解)
保育士がアドバイザー資格を取得すると、次のような場面で活かせます。
クラス運営での活用
- 「なんとなく気になる」子どもの行動の背景を理解できる
- 日常の保育活動を少し工夫するだけで、特性に合わせた環境設定ができる
- 視覚的な手がかりを効果的に取り入れた活動計画が立てられる
保護者対応での活用
- 子どもの様子を専門的な視点で伝えられる
- 家庭でできる支援方法を具体的に提案できる
- 「うちの子だけ」という保護者の不安に寄り添える
おすすめな保育士タイプ(例:経験が浅い・家庭支援を強めたい人)

「子ども発達障がい支援アドバイザー」は名前の通り、アドバイスという視点での学びに特化しています。そのため、特に次のような保育士におすすめです。
- 保育経験が1〜3年目の若手保育士
- クラス担任として特性のある子どもへの対応に悩んでいる方
- 保護者支援に力を入れたい方
- パート・非正規で働きながら専門性を高めたい方
- 将来的に保育園で長く働きたいと考えている方
このような項目に当てはまる先生は「子ども発達障がい支援アドバイザー」の取得を検討することをおおすすめします。
子ども発達障がい支援実務士とは?

資格の特徴と学べる内容
子ども発達障がい支援実務士は、より専門的かつ実践的な支援技術を学ぶ上位資格です。保育士として特に役立つ内容は:
- 発達特性の専門的なアセスメント方法
- 個別の指導計画の立て方と評価方法
- 特性に応じた環境調整と合理的配慮の実践例
- 二次障害の予防と対応
- 専門機関との連携方法と支援体制の構築
テキスト2冊(支援知識編・支援実践編)に加え、支援ワークブック、支援実務事例集、活用DVDなどより実践的な教材で学びます。
現場での活かし方(支援計画・加配対応・合理的配慮)
実務士資格を取得した保育士は、次のようなスキルを発揮できます。
専門的な支援での活用
- 特性に応じた個別の支援計画を作成できる
- 行動観察から課題を分析し、具体的な支援方法を立案できる
- 発達段階に応じた適切な教材・環境設定ができる
園全体の支援体制での活用
- 園内研修で発達支援についての知識を共有できる
- 関係機関(療育センター、児童発達支援センターなど)との連携窓口になれる
- 保育園全体の発達支援の質を高める提案ができる
おすすめな保育士タイプ(例:リーダー・加配・支援の中心になる人)

特に次のような保育士には「子ども発達障がい支援実務士」がおすすめです。
- 保育経験が5年以上のベテラン保育士
- 加配保育士として配置されている方、またはその役割を担いたい方
- 主任・リーダーとして園全体の支援体制を整えたい方
- フルタイム勤務で専門性を活かしたキャリア形成を目指す方
- 将来的に児童発達支援施設での勤務も視野に入れている方
基本的に「子ども発達障がい支援実務士」は、保育士としての実務経験があり、現場での指導方法の改善などにねらいを持っている人におすすめの資格です。
【保育現場で使える?】現場目線で資格を徹底比較!
では両資格を取得することで、先生方にどのようなメリットがあるのか、現場での活用方法をもとに考えていきましょう。
園内での活用シーン(担任・加配・主任など)
自分の置かれている立場によって、資格の活かし方も変わってきます。
担任保育士の場合
- アドバイザー:朝の会や活動の切り替えで視覚支援を取り入れられる
- 実務士:特性に合わせた活動のステップ分けと個別目標の設定ができる
- アドバイザーレベル:「今日の予定」を絵カードで示し、見通しを持たせる
- 実務士レベル:子どもの特性を分析し、集団活動と個別活動のバランスを考慮した日課を組み立てる

実務士レベルの考え方だと、分析や活動への配慮という点で保育を進めていくことができようになります。
加配保育士の場合
- アドバイザー:担当児の特性を理解し、無理なく参加できる声かけができる
- 実務士:段階的な目標設定と支援プログラムを立案・実行・評価できる
- アドバイザーレベル:苦手な活動の前には予告し、安心できる場所を確保する
- 実務士レベル:「友達と並んで座る→隣の子と道具を共有する→簡単なやりとりをする」という段階的な社会性発達支援プログラムを実践する

加配保育士として、より深い関わりができるようになるのは「子ども発達障がい支援実務士」だと思います。ただ立場や経験年数によって、求められていることが違ってくると思うので、アドバイザーでも十分活かすことができますよ。
主任・リーダーの場合
- アドバイザー:職員間で子どもの見方を共有するミニ研修ができる
- 実務士:園全体の発達支援体制を構築し、外部機関との連携体制を整備できる
- アドバイザーレベル:「気になる子ども」についての園内ケース会議を効果的に進行できる
- 実務士レベル:地域の専門機関とのネットワークを作り、スムーズな連携システムを構築できる

主任・リーダーのような存在の方は恐らく経験年数も豊富な保育士さんなので、発達障がいに関する基本的な知識は持ち合わせている可能性が高いでしょう。
アドバイザーで学ぶような声掛けの仕方は、実践でも取り入れているレベルだと思いますので、個人的には「子ども発達障がい支援実務士」がおすすめです。
保護者対応の幅を広げたいならアドバイザー
保護者対応は保育士の仕事の中でも難しい部分です。アドバイザー資格では、保護者支援に役立つ知識が充実しています。
- 子どもの行動の意味を分かりやすく説明できるようになる
- 「できない」ではなく「どうすればできるか」という視点で提案できる
- 保護者の不安や焦りに共感し、適切な情報提供ができる
「〇〇ちゃんが他の子のおもちゃを取ってしまうのは、自分の気持ちを言葉で表現するのが難しいからかもしれませんね。園では『貸して』カードを使って練習しています。ご家庭でもよかったら試してみませんか?」

アドバイザーの資格は、子育てに悩むパパママでも取得できるような内容になっています。そのため、アドバイザーの受講を通して、保護者への理解が深まり結果として「保護者対応」という点でのメリットを得ることができるでしょう。
書類作成・個別支援を強めたいなら実務士
実務士資格では、保育の質を高める専門的スキルを習得できます。
- 子どもの発達段階を細かく評価できるようになる
- 根拠に基づいた個別の支援計画が立てられる
- 支援の効果を客観的に評価し、次の計画に活かせる
・社会性の発達において、現在は平行遊びが中心。近接遊びへの移行を目指し、興味を共有できる活動を設定する。
具体的には、砂場遊びで『○○くんも山作りしているね』と他児の活動に注目を促し、同じ場での遊びを楽しめるようにする。1週間で3回以上、近接遊びが見られることを短期目標とする

実務士レベルの学びだと、このように「指導」という視点から発達障害について考えられる力が身に付きます。関わり方だけでなく、発達障がいへの根本へのアプロ―チや、書類などの指導計画という点で、より理解を深めることができるでしょう。
実際に使える声かけの例も比較してみよう!

【パニックになりそうな子への対応】
では実際の場面で想像してみてくださいね。
気に入らないことがありパニックが起きてしまいなTくんが目の前にいます。
アドバイザーレベル
「騒がしくて嫌だね。少し静かな場所で休もうか」
実務士レベル
「感覚過敏の特性に配慮し、事前に静養コーナーを設置。パニックの前兆(耳を塞ぐ・表情が硬くなるなど)を観察して、『カードを持ってきてくれたら休憩していいよ』と自己調整を促す支援を行う」
この違いは分かっていただけますか?実務士レベルになると、声かけ+環境設定という視点でTくんのことを捉えることができるようになります。
【指示が入りにくい子への対応】
片付けの時間になかなか片付けられないRくん。お片付けの後もなかなか椅子に座れません。
アドバイザーレベル
「Rくん、お片付けの時間だよ。おもちゃはこの箱に入れてね」と視覚的手がかりを示す
実務士レベル
聴覚的情報処理の弱さに配慮し、
『①おもちゃを箱に入れる→②椅子に座る→③シールをもらう』
という3ステップの視覚的スケジュールを作成。
成功体験を積み重ねることで自発的な行動を増やす支援プログラムを実施
その場限りの声かけだけでなく、Rくんが今後もお片付けの場面で困らないような環境設定や働きかけを考えられるようになりたいという方は「子ども発達障がい支援実務士」の方がいいかもしれませんね。
保育士がどちらか迷ったら?判断のポイントまとめ

今までの比較を読み、先生方はどのように感じましたか?
スキルアップの第一歩として取るなら?
保育士としての経験年数別におすすめの選択肢はコチラ!
- 子どもの見方が変わり、日々の保育が楽になる
- 経験不足を知識でカバーできる
- クラス担任を極めたい → アドバイザー
- 専門性を高めたい → 実務士
- 園内のリーダーとして発達支援の質を高める
- 若手への指導力も強化できる
- パート・非正規:基礎知識から学べるアドバイザー
- フルタイム正規:キャリアアップにつながる実務士

経験年数や自分が身を置いている場所、学び後の理想の姿などを想像し、自分に合った資格の取得ができるといいですね。
どちらを選んでもムダにはならない!受講後の変化と感想
発達支援の知識があると、日々の保育がラクになる
どちらの資格を選んでも、無駄になることは全くありません。
例えば
・子どもへのイライラが減った
・『わがまま』と思っていた行動が、実は特性からきていると分かると、気持ちに余裕を持って対応できるようになった
と感じる人もいれば、
・加配として担当している子どもの行動の意味が理解できるようになった
・適切な支援方法が考えられるようになった
・以前より確実に成長を感じられるようになり、やりがいが増した
と感じる人もいます。
「なんとなくの対応」が「根拠ある対応」に変わる

これまでは経験と勘で対応していましたが、資格を取ることで『なぜその方法が効果的なのか』を説明できるようになりました。若手保育士への助言も具体的にできるようになり、園全体の質が上がっていると感じます

視覚支援や環境構成の工夫など、具体的な方法を学べたことで、クラス全体が落ち着きました。特別な配慮が必要な子だけでなく、全ての子どもにとって分かりやすい保育ができるようになりました
資格の取得を通して、このように自分に変化を感じることができると思うとワクワクしてきますよね。
まとめ|保育士のあなたには、どちらが合う?

では最後にもう一度、保育士目線で解説!
どちらの資格が自分に適しているかおさらいしていきましょう!
タイプ別おすすめ早見表(表形式で視覚的に)
保育士のタイプ | おすすめの資格 | 理由 |
---|---|---|
経験1〜3年目 | アドバイザー | 基礎知識を得て日々の保育が楽になる |
経験4〜7年目(クラス担任) | アドバイザー | 保護者対応や全体の中での個別配慮に役立つ |
経験4〜7年目(加配希望) | 実務士 | 専門的な支援スキルでキャリアアップできる |
経験8年以上・主任 | 実務士 | 園全体の支援体制構築に活かせる |
パート・非正規 | アドバイザー | 学習負担が少なく基本を押さえられる |
フルタイム正規 | 実務士 | 専門職としてのキャリア形成に役立つ |
転職希望(発達支援施設) | 実務士 | 児童発達支援施設での就労に有利 |
保育園で長く働きたい | アドバイザー→実務士 | ステップアップしながら専門性を高められる |
講座を始める前に、お得情報もチェック!
どちらの資格も、ユーキャンでは時期によってキャンペーンを実施していることがあります。
申し込むタイミングによっては、ちょっとお得にスタートできるチャンスもあるので、受講を考えている方は事前にチェックしておくのがおすすめです。
▶▶▶ ユーキャンのキャンペーン情報はこちらで詳しくまとめています
発達支援の知識は、これからの保育において大きな強みになります。
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どちらの講座が自分に合っているか迷ったら…
まずは公式ページや資料をチェックして
比較しながらじっくり検討するのがおすすめ!
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