保育士間の連携が思うように取れていないことは、デメリットしかありません!!
保育士間の連携がとれていないと何故よくないの?
連携が図れない原因は?
どうしたら連携が図れるの?
今からでも間に合います!保育の質の向上を目指し、原因の理解、改善策を一緒に学んでいきましょう!
目次
保育士間の連携がとれていないとなぜよくないの?
保育士間の連携がとれていないことがなぜよくないのか、考えたことはありますか?
書き始めたらきりがないので、大まかに4つの項目をピックアップしてみました。
- 子どもの命に関わる事故の原因
- 保護者からの信頼が築けない
- 保育の質が向上しない
- 人間関係の悪化で離職率が高まる
子どもの命に関わる事故の原因
保育園・幼稚園の先生は、毎日たくさんのお子さんの命を預かっていますよね。少し目を離した瞬間に怪我をしてしまった…友達とトラブルが起きてしまった…という経験が誰しもあるのではないでしょうか。
一人の保育士がすべての保育を行うことは不可能かつ危険しかありません。
一人の子に気を向けて対応している間、他の子どもたちへの配慮が疎かになり、重大な事故につながる危険があります。
また、アレルギーの子の誤食なども、連携がとれていないと命に関わるミスにつながります。
保護者からの信頼が築けない
「この前、S先生に伝えたのに、他の先生は対応してくれない・・・」
「きのう大きなけがをしたのに、誰も気にかけてくれない・・・」
保護者の方の中には、このように少しずつ保育士に不信感を抱いている方もいます。
担任の先生は分かってくれているけど、それ以外の先生だと対応してくれないから、また同じことを伝えなくてはいけない・・・と徐々に保育士への信頼がなくなっていきます。
保護者との関係が悪化すると、ちょっとしたことでも気に障るようになり、クレームにもつながりかねません。
保育の仕事は、子どもの健やかな成長のサポートだけは成り立たず、保護者とともに子どもの成長をサポートしていく必要があります。そのため、保護者との関係悪化は子どもにとっても悪影響となってきます。
保育の質が向上しない
目まぐるしく過ぎていく毎日。日々成長する子どもたち。保育の仕事はただ子どもたちと遊んでいるわけではないですよね。
このやり方はよくなかったのかな・・・・
なんで上手くいかなかったんだろう・・・
そんな悩みもたくさんありますよね。
保育に行き詰まってしまった時、一人で考えているだけでは向上してきません。
また客観的に見て、「先生の声掛けの仕方を変えたらあのクラスはよくなるのに!」と上に立つ先生は感じることもありますよね。
そんなお互いの保育について声に出さずに黙ったままにしていることは、子どもたちの「最善の利益」にはなりません。保育士間の連携がとれていないことは結果として、「個」での保育になってしまい、子どもたちにとっても、保育士にとっても向上してくきっかけを奪っていくことになってしまいます。
人間関係の悪化で離職率が高まる
保育士間の雰囲気はコミュニケーションが最重要!コミュニケーションが取れていないと、お互いの不満ばかりがたまっていきます。不満がたまると、後輩に対してきつめの口調になってしまったり、先輩から言われることに対し素直に耳を傾けられなくなったりします。
また悩んでいることに気づくこともできず、一人で抱えこみ堪え切れなくなって保育士をやめてしまう・・・という最悪の結果を招いてしまいます。
また年度途中で突然辞めてしまったりすると、急に保育士の人数が足りなくなってしまい、不適切保育につながる恐れも出てきます。
いいことは一つもない!
保育士間の連携が取れていないとどうなってしまうのか、少しは理解していただけたでしょうか。紹介した内容は極端な表現もあり、「私の園はそこまでひどくないかな・・・」と感じてしまうこともあるかもしれませんね。
でも、保育士間の連携が不十分な園が多いのも事実。
保育士間の連携が取れていないことは、子どもにとっても、保護者にとっても、職員にとっても良くないことだらけ!結果として、園全体の評判にも関わってくるので、肝に銘じておく必要がありますね。
連携が図れない原因を知る
保育士間の連携が取れていないと何がいけないのかという点は理解していただけたかと思いますが、問題は何故保育士間の連携が取れていないのかという原因に気が付くことです。
考えられる原因を3つ紹介します。あなたの園ではどうでしょうか?
コミュニケーション能力の低下
保育の分野だけに問わず、現代は思っていることを言葉に出して伝えることが苦手な人が多いようです。
伝えなくても伝わっているだろう。これだけ伝えたんだから、あとは察して理解してくれるだろう。と思っていませんか?
それでは不十分です!
丁寧に伝え合うことが下手になっている時代、お互いを「理解しよう」とする努力が大切です。
保育はチームワーク。
それぞれが取り繕わずに、自分の思いを丁寧に伝えようとする努力ができていないのかもしれませんね。
日本コミュニケーショントレーナー協会で紹介されていた一文を紹介します。
若手社員に求められるコミュニケーションであれば
職場のメンバーと打ち解けてやっていけそうかなどの人間性や
上司に対し、報告・連絡・相談(報・連・相)がしっかりできることなどが求められるでしょう。中堅社員に求められるコミュニケーションであれば
関係者から情報収集したり、課題解決や新しい提案をし
チームとしてメンバーを支えたり引っ張ったりする。周りの人間と信頼関係を築き、仕事で結果を出すことが必要となります。
管理職に求められるコミュニケーションであれば、傾聴力もポイントとなります。
部下の話を聞いて方向性を示してあげたり、叱咤激励したり、
モチベーションの維持やメンタルヘルスに気を配ることも必要でしょう。コミュニケーションは、相手との関係性でその手段は変わるものなのです。
コミュニケーションとは? コミュニケーションの本質を知ろう! | 一般財団法人日本コミュニケーショントレーナー協会 (communication.or.jp)
ここに紹介されているように、原因はどちらか一方にあるわけではなく、それぞれの立場に応じたコミュニケーションの方法ができているかどうかということが大切になります。
コミュニケーションが能力の低下は、若手の先生にも、先輩先生にも言えることです。上の先生が言ってくれなかったから、新人が聞いてこないから・・ではなく、それぞれの意識が大切になってきます。
会話の時間がない
子どもたちが登園してきてから、降園するまでの間はとにかく忙しい!休憩時間があっても、連絡ノートのチェックに追われたり、次の保育の準備をしたり・・
降園後は、保育室の掃除や書類・・・とにかくやることが多いですよね。
なので、コミュニケーションを取ろうと思っても、会話の時間の確保が難しい!!!これも保育士間の連携がうまく取れないことの原因です。
でも時間がないからといって、コミュニケーションを取らないということは間違っていますよね。時間を作って連携を図る努力も必要で、保育士間で良好な関係を築いておくことを意識する必要があります。良好な関係が築かれていれば、忙しくて短い時間でもパパっと要点だけ伝えられる雰囲気になるはずです。
目的意識が違う
目的意識と言われると、少し難しく感じるかもしれませんが、わかりやすく言うと、同じ職場のチーム内で考えてることは同じかどうか、ということ。
その保育の最終地点は?何のために、その保育をするのか?という目的は明確ですか?
例えば、好き嫌いが多く、いつも給食が全然食べられないⅮ君。
「嫌いなものでも一日1個、一口だけは頑張ってみる」というように、その子にとってもの最終ゴールを決めておくことで、一貫した関わりを持つことができます。この子の目的は「〇〇」だから、ここでフォローの声掛けをしよう!といった具合に、うまく連携ができる保育につながっていきます。
逆に言えば、保育士間の目的が明確になっていないと、連携もうまくとれませんよね。
方法はどうであれ、最終目的を大まかに決めておくことで、「あの先生、自分勝手なことばかりしている・・・」といった保育士間で起こりがちな不信感を払拭することができます。
保育の目的が違うと、お互いに不信感を抱く可能性も高くなり、良好な連携が取れなくなってきてしまいます。
どうしたら連携が図れるの?
①時間の確保をする
時間の確保に関しては、新人保育士ではなく先輩保育士の役割です。一日5分でもいいので、その日の反省を職員間で報告しあえる時間を設けましょう。
そこに全職員が居合わせることは難しいので、報告したことなどは全員が目を通せるノートなどにパパっと書いておくのもいいかもしれません。
時間がないから、と保育士間のコミュニケーションを省くことは結果としてマイナスな保育につながります。まずは連携の大切さに目を向け、後回しにしないよう時間の確保をしてください。
②報連相を徹底する
「報連相」に関しては、保育業界のみならず、どの会社でも必要となるスキルです。
報連相とは。
- 報告…仕事の進捗状況を伝える行為
- 連絡…大事な情報や予定を知らせる行為
- 相談…トラブルや困り事に対してアドバイスをもらう行為
報連相を徹底することで、情報共有の不足による仕事のミスが格段に減ります。更に、コミュニケーションの回数が増え、良好な保育士関係を築くことができるようになります。
私の勤務する園でも、報連相は徹底しています!
③話しかけることをためらわない
上手に言葉を伝えるために必要なのは、「理解してもらう」ではなく、「相手の気持ちを理解する」ことです。組織をよりよくしようという共通の意識を持って、相手をどれぐらい思いやり、いかに相手にわかりやすい言葉を使えるかがポイントといえるでしょう。「相手の気持ちを理解するスキル」を求められるのが保育者。
同僚との伝え合いを丁寧に重ねることで、このスキルを磨いてほしいと思います。
本当のコミュニケーションスキルとは、自分から話しかけられるようにしゃべりがうまくなるのではなく、人が話しかけたくなるようなスキルのことだ。手品が上手だったら話しかけられることもあるだろう。そして、その人しか持っていない知識やスキルがあれば、誰かに必要とされるはずだ。(中略)面白いと感じること、好きなことを追いかけて得た、多少の努力では真似できないようなスキルこそが人を惹きつけるのだ。
ホリエモンは「コミュニケーションスキル」をこう考えた |BEST TiMES(ベストタイムズ) (kk-bestsellers.com)
コミュニケーションについては先ほども触れましたが、お互いが心掛ける必要があります。「話かけづらい・・・」という雰囲気を作っていませんか?
話しかけてもらった時に、しっかりと耳を傾けていますか?
話しかけやすい雰囲気作りと、話しかけることをためらわない気持ちを心がけることで、保育士間の連携もスムーズになっていきます。
また、コミュニケーションをとった際、相手の考えや意見を尊重してくださいね。寄り添う姿勢を大切にすれば、良好な関係性を構築でき、連携がとりやすくなります。
④共通意識をもつ
密な連携を図るには、保育観や活動目的などの共通意識をもつことも大切です。
共通意識があれば同じ足並みで同じ方向を向いてゴールに向かっていけるため、話し合いもスムーズになり連携が強化します。
連携する力を高めたいなら、共通意識をもつための話し合いの機会を大事にしてください。
保育士間の連携が不十分だと、子どもも、保育士も、保護者もつらい
保育士間の連携が取れていないと、
- 子どもの命に関わる事故の原因
- 保護者からの信頼が築けない
- 保育の質が向上しない
- 人間関係の悪化で離職率が高まる
このような悪循環が待っています。
それは結果として、子どもだけでなく、保護者にも保育士にも園にも悪影響!!
- 時間の確保を園全体で考える
- 報連相を徹底する
- 話しかけることをためらわない
- 共通意識をもつ
このような解決策で、あなたの園の保育士間の連携が良好なものになっていくことを願っています。
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