0歳児の連絡帳は、年齢が低いこともあり、家庭との連携を図るうえで大切なコミュニケーションツールです。
でも、何を書いたらいいんだろう?
どんなことを保護者に伝えたらいんだろう?
毎日同じような内容になってしまって困る・・・
などいろいろな悩みが出てきますよね。
そこで今回は、0歳児の連絡帳を書く時のちょっと困ったを解決するポイントを3つ紹介します。
目次
連絡帳の目的とは
そもそも連絡帳がなぜ必要なのか、というところにも少し触れておきたいと思います。
子供が小さければ小さいほど、連絡帳というツールを利用する頻度が増えていきますよね。
保護者との連携を図り、子どもの発達支援を双方でしていく、ということが主な目的です。
連絡帳を利用することで、家での過ごし方、保育園での過ごし方を保護者と保育士がともに理解することができ、子供の発達をよりしっかりと捉えることができます。またそれによって必要な援助もしやすくなってきます。
つまり、子どもの成長発達をより良いものにするためのツールだと思って下さい。
連絡帳を書く時のポイント
では連絡帳を書く時のポイントを紹介していきます。具体的な書き方の前に、連絡帳にはどんなことを書いたらいいのか、どんな捉え方で書くといいのかというポイントです。
子どもを24時間連続した視野で捉える
まずは子どもの成長発達を24時間体制で捉えるという視点です。
0歳児は体温の調整、消化機能など生理的にまだまだ未熟。抵抗力なども弱いので、保健・安全・衛生に配慮しつつ、命の尊厳を意識して日々の保育に取り組まなければなりません。また、0歳児は成長・発達が著しいので、家庭での過ごし方、保育所での生活のあり方の両者の情報を伝え合うことが重要です。
例えば、毎日のミルクの量や睡眠の時間など、当たり前なことや、毎日同じような内容に感じてしまうことが実は一番大切なんです。
24時間を視野に入れた保育と子育て支援については保育所保育指針にも記載されています。
子どもの生活の24時間を見通した保育は、子どものより良い発達を促す。それには、家庭との連携が必要である。
【詳細】
家庭との連携に際しては、専門的視点から子どもの環境を整える支援も必要である。
養育に問題がある場合(睡眠のリズムが不規則等)は、保護者の気持ちの寄り添い、共に解決策を考え、実行することが重要である。これで、家庭との信頼関係が深まる。
規則正しい生活リズムは、乳児の健康保全、情緒的安定に欠かせません。
- 睡眠時間
- ミルク(時間と量)
- 食事(離乳食の時間と量)
- 排泄(便の状態と量)
- 遊びの時間 など
毎日の生活の流れを一目で分かるように心がけましょう。
連絡帳でエールを送る
保育園に子どもを預けているご家庭は、両親ともに就労していることがほとんどです。
現代では「こんな小さな子どもを預けてまで働かなくても・・・」「3歳までは母親が家庭で育てるべき」という風潮は無くなりつつありますが、やはり‟子どもを預けている”といううしろめたさを感じている方もたくさんいます。また育児に参加する時間が減り、子育てに自信が持てない人も増えています。
そんな心配はないんだよ。一緒に育てていきましょうね。ということが当たり前という認識で保育士が子育ての支援をすることが必要になってきます。
家庭と仕事の両立支援をすることが両親の人としての成長につながります。頑張っているパパ・ママなどに子育てに自信を持ってもらえるような内容を心掛けましょう。
専門的な援助
0歳児は成長発達が著しく、初めての寝返りやハイハイなど感動的な場面や、おもちゃを握ったり、音を楽しんだりと自分で遊びに興味を持つようになったりととても微笑ましい場面にたくさん出会いますよね。
その時に専門的な目線で子供の発達をとらえ、援助の仕方など具体的な内容を保護者に伝えることも大切です。
「おもちゃが取りたくて手を伸ばしていましたよ。こうした!という自分の気持ちが出てきている証拠ですね。」など、具体的な行動と、それがどのような成長発達なのかを伝えるといいでしょう。
連絡帳に記載することで、保護者の気づきにもつながり、連絡帳がその子だけの特別な成長記録になりますよ。
書き方の具体例
書く時の3つのポイントを念頭に置きながら、実際にどのように連絡帳を書くといいのかを紹介していきます。
食事・排泄・睡眠等、園での生活の流れ
家庭での授乳時間、睡眠時間に続き、園での食事・排泄・睡眠の時間をその都度メモをし、時間があるときに連絡帳に書き写しましょう。
書くスペースがあれば、園生活でどんな遊びをしていたのかなども、時間軸に記入するといいでしょう。
保護者からの質問や連絡帳への返答
連絡帳には家庭からの連絡の欄はありますか?未満児クラスだと、家庭でこんなことがありました。というエピソードや食事に関することなど、ちょっとしたエピソードを書いてもらうことで、その子の様子をより深く理解できるようになります。
そんな保護者の方からのエピソードに関する返答も、長くなりすぎない範囲で書いていきましょう。
昨日の夜はとても機嫌がよく、離乳食をたくさん食べてくれました。もっと欲しかったようで、ごちそうさまをしたら泣いてのけぞってしまい大変でした。
【返答】
離乳食たくさん食べてくれたんですね。ごちそうさまをしたらおしまいということがよくわかっているんですね。
昨日初めてトマトを食べました。酸っぱかったのか、すごい顔をしていてとてもかわいかったです。
【返答】
初めてのトマト、びっくりしたのかな?Tくんが見せてくれるいろいろな表情がかわいいですね。
昨日は天気が良かったので、公園に行きました。初めてのブランコが気に入ったようで、お父さんの膝に乗りながら、揺れるたびにキャッキャッと喜んでいました。
【返答】昨日は素敵な休日でしたね。お父さんとの初めてのブランコ、満面の笑みで喜ぶMちゃんが目に浮かびます。
エピソードに関しては、保護者の気持ちに共感しつつ、感じたことを短めに伝えるといいですよ。
離乳食の食べが悪く困っています。嫌いなものだとすぐに口から出してしまいます。園では嫌がらずに食べているのでしょうか?
【返答】
Kちゃん、少しずつ好き嫌いが出てきているのかな。園ではお友達と一緒なので、嫌がることなく楽しそうに食べていますが、少し嫌そうなお顔をしているときは、ご飯に混ぜたり、保育士が「おいし~」と実際に食べているところを見せたりしています。苦手かな?と感じるお野菜などは、ハンバーグの中やお味噌汁の中などに入れてしまうのもいいかもしれませんね。
最近、手でぐちゃっとしながら食事をするようになりました。うまく口に入らないので散らかりがすごいです・・・それが嫌で私が食べさせてしまいます。園では散らかさずに食べていますか?
【返答】
Hちゃん、最近は食欲が出てきて、園でもよく食べるようになりました。自分で食べたい気持ちも受け止めてあげたいですが、散らかった後のお掃除も大変ですよね。テーブルの下に新聞紙などを敷くと、少し片付けが楽になりますよ。自分から手づかみで食べるHちゃんは自立心旺盛!将来が楽しみですね!
保護者の感じる少し困ったも、「自立心旺盛」と言い換えることで、散らかされる大変さが少しは薄れるかもしれないですね。
連絡帳に書く時は、基本的にプラスのイメージの言葉に言い換えてから伝えましょう。
保護者の方が、園での様子を知りたがっているときには、具体的なエピソードもお伝えするといいですね。連絡帳ではなく、直接お会いできる時には、工夫の仕方などのアドバイスをお話してもいいと思います。
子どもの姿が分かるよう、具体的に
0歳児はハイハイやつかまり立ちなど成長が著しい時期ですね。
連絡帳には「挑戦していたこと」「はじめてできたこと」などの様子を詳しく記載し、保護者の方とともに子どもの成長を見守ることができるとよいですね。
【例文】
「今日は大好きなおもちゃがテーブルにあったので、つかまり立ちをしようと頑張っていました。たまにバランスを崩しそうになりつつも、お目当てのおもちゃが手に届くと、満面の笑みで喜んでいたKちゃんでした。自分でできることが増えるととっても嬉しいですね。」
【例文】
「大好きな転がるおもちゃを見つけたS君。急にハイハイがスピードアップし、転がるおもちゃを追いかけていました。「こここここ~」と声を出しコロコロ転がることを楽しんでいたようです。言葉がどんどんと増えていきますね。」
「園ではこんな姿がありましたよ!」「○○は、こんな成長ですね。嬉しいですね。」など、園での姿プラス、成長をともに喜ぶような書き方で保護者に伝えてあげられるといいですね。
【例文】
「隣のクラスから音楽が聞こえてきたときに、持っていたおもちゃを握りしめながら、自然と体をゆらゆらと揺らして楽しんでいたMちゃん。本当にお歌が大好きですね。Mちゃんの嬉しそうな表情にこちらまで楽しい気持ちになりました。」
成長をともに喜びつつ、先生の気持ちも添えてあげると、より心のつながりを感じてもらえるかもしれません。基本的に文字にして伝えていいのはプラスの感情のみ。
〇〇ちゃんの優しい姿を見て、温かい気持ちになりました。
〇〇君の嬉しそうな表情に、こちらまで嬉しい気持ちになりました。
〇〇ちゃんが嬉しそうに寝返りをする姿を見て、私たちもうれしくなります。
こんな一言が添えてあると、「先生は我が子のことしっかり見てくれているんだな。」と保護者も安心します。「成長の喜びを共感する」ことは、結果として保護者支援につながってきます。
少しずつ実践に取り入れよう!連絡帳の書き方まとめ
連絡帳を書く時のポイントをもう一度おさらいしておきましょう。
- 子どもを24時間連続した視野で捉える
- 連絡帳でエールを送る
- 専門的な援助
保護者の方に安心して子どもを預けてもらえるよう③の専門的な部分の勉強は怠らないようにしたいですね。
発達には個人差があるので、その子のペースで成長していることを保護者と一緒に共有し、共に子育てを楽しんでいけるよう、連絡帳というをもう一度見直してみてください。
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