保護者対応がしんどい!疲れた!そう感じる保育士が増えているようです。
保護者対応は、保育士の仕事の一つ。でも、対応方法によっては保護者との関係が悪化してしまうことも・・・と考えるだけで、ため息が出てしまう人も多いかと思います。
そこで今回は、保育士の保護者対応のコツを大公開!
保護者対応が苦手で不安だと感じている保育士の方は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
保護者との良好な関係を築くコツ8選
保護者対応がしんどいと感じているときに、こんなにもたくさんのコツを紹介されても・・・と感じる場合は、自分のできる範囲で心掛ける。ということから取り入れてもらえれば大丈夫です。
まずは私の感じている保護者対応のコツを8つ紹介します。
- コミュニケーションをこまめにとる
- 日頃から丁寧な保育をする
- 丁寧な言葉遣いを心がける
- 保護者の背景を考慮する
- 傾聴・共感を意識する
- 連絡ノートでのやり取りを大切にする
- 身だしなみを整える
- 園長や主任に相談する
今回紹介するコツは、基本的に日頃から心掛けることが大切なことばかり。どうしてその項目を心掛けたほうがいいのか、心掛けるためのコツなどを一つずつ紹介していきます。
①コミュニケーションをこまめにとる
笑顔で挨拶
保護者対応の基盤はコミュニケーションがとれているかどうかです。
連絡帳などの情報共有手段もありますが、基本的に保護者と直接顔を合わせるのは、朝と帰りの送り迎えのときのみですよね。
その短い時間を大切にし、笑顔で「おはようございます!」と受け入れたり、お迎えの時には「おかえりなさい、お仕事お疲れ様です」などねぎらいの声を掛けたりし、コミュニケーションをこまめに取ってください。
基本はいつも「笑顔」で「明るく」です!
エピソードを一つ
お迎えの時間に少しでもいいので「今日はトイレでおしっこができましたよ、頑張りました!」など、ちょっとしたエピソードを伝えることを心がけましょう。
我が子が園内でどのように過ごしているのかがわからない保護者にとって、保育士からの報告はうれしいものです。
小さなコミュニケーションでも繰り返し行うことで、保護者との信頼関係を構築できます。
もちろん、あまりゆっくりお話できない保護者もいると思うので、子供が頑張っていたこと、楽しそうだったことなど、ちょっとしたことなどを端的な言葉で伝えてあげるといいでしょう。
「先生、うちの子のこと気にかけてくれているんだな」
「うちの子、園ではそんなことも自分で頑張れているんだな。」
と、保護者の方も感じてくれると思います。
ちょっとしたエピソードでも、回数を重ねれば、自然と雰囲気も良くなってくるはずです。
マイナスなエピソードではなく、プラスのエピソードを伝えてくださいね。日々の業務に追われて、エピソードがすぐに思い出せないこともあると思うので、パパっとメモを取る習慣を心掛けてもいいですね。
②日頃から丁寧な保育をする
先生が大好きな我が子
保護者は、自分の子供と保育士との関係をよく見ています。
直接的に保護者に関わるわけではありませんが、日頃の丁寧な保育は保護者との良好な関係作りとつながっています。
「先生大好き!」と日頃から家でも口にしているお子さんを見れば、保護者の方も安心して園に通ってくれるようになります。逆に、保育園に行きたがらない、先生になつかないなどの我が子の態度をきっかけに、不信感を抱きクレームに繋がることもあります。
つまり、子供と信頼関係を築くことが、保護者との信頼関係に繋がっていくのです。
「先生大好き!」「先生に教えてもらったんだよ!」「先生と遊んで、楽しかったよ」と言ってもらえる保育を日頃から心掛けてくださいね。
持ち物や衣服にも目を向ける
日々の業務が忙しく、子どもの姿を見るだけで大変なことも重々承知ですが、子どもの持ち物や衣服の乱れなども正しいかどうかチェックしてあげるといいでしょう。
- 持ってきたコップが正しく袋に入っているか
- 着替えた服などが畳んでカバンに入っているか
- シャツがズボンに入っているか
- 前後ろ反対になっていないか
- 鼻水や口周りなど、顔が清潔になっているか
- 髪を結んでいる子は、きゅっと結びなおしてあるか
具体例以外のポイントでも、子どもが登園した時と同じ状態で降園できるように心がけることも、意識するといいでしょう。
怪我や発疹等、全身状態のチェック
これは当然のことだと思いますが、怪我の報告は絶対です。転んだときに怪我をしていないかな?とチェックし、小さな傷でも、報告してください。
年齢が低ければ低いほど、保護者の方が気にされることが多くなってきます。全身の状態をしっかりチェックし、発疹などがないか、赤くなっているところはないかなども見るようにしましょう。
登園した時と変化がある場合は、必ず保護者に伝えてくださいね。軽いけがなどの場合は「すみませんでした。」など言葉もかけてあげるといいと思います。
丁寧な言葉遣いを心がける
親しき仲にも礼儀あり
保護者とコミュニケーションを取るとき、フランクな言葉遣いになっていませんか?
保護者は「友達」ではありません。基本的に「です・ます」の丁寧語で話してください。中には、とてもフランクに話しかけてくる保護者もいらっしゃると思いますが、やはり私たちは「先生」です。「親しき仲にも礼儀あり」ということわざもあるように、フランクになりすぎは禁物です。
また、「〇〇してあげた」などの上から目線の表現も控えましょう。大切なお子さんを預かってあげていると思っている新人の保育士さんもたまに見かけますが、保育の仕事は持ちつ持たれつです。
極論を言えば、預けてくれる保護者がいなければお給料をもらうことすらできなくなります。
預かってもらえるから、仕事ができる。
預けてもらえるから、仕事ができる。
どちらの気持ちも大切です。
上から目線になりがちな人は、そんなことも頭の片隅に入れておくといいかもしれないですね。
プラスな言葉を使うこと
情報の伝え方は基本的に「プラス」の言葉。
自分では何気ない会話をしているつもりでも、保護者を不快にさせてしまうことがあることを覚えておきましょう。
いくつか具体例を挙げてみます。
ちょっと飽きっぽいですね。
↓
好奇心がとても旺盛で、いろいろなことに興味がわいているみたいです。
すぐにふざけてしまうところがありますね。
↓
ユーモアいっぱいで、周囲を楽しくするムードメーカです。
わがままが多くて・・・
↓
自己主張ができ、自分のやりたいことがはっきりしているみたいです。
どうしても、困りごとが目につき、自分が困っているからというニュアンスの発言が多くなってしまうようです。でも、子育ても、仕事も頑張っている保護者の方にマイナスな言葉をかけることは、そのご家庭を批判していると同じ事。
マイナスの言葉から、明るい未来は生まれません。言葉選びには十分気を付けてくださいね。
他人と比べない
もう一つ多いのが、「みんなと比べて〇〇が苦手で・・・」など、他の子と比べるような発言。
これも、言われた保護者の気持ちを考えたら・・・いい気はしないですよね。
もし保護者側から、「他の子と比べてどうですか?」などのお尋ねがあったとしても、「発達には個人差があるので、〇〇君のペースで頑張っていますよ。」など、他人と比べるような発言は控えるようにしてください。
保護者の立場を考え、専門家としての適切な言葉遣いを心掛けましょう。
保護者の背景を考察する
保護者が保育園・保育士に何を求めているのか・何をしてほしいのかを知ることも大切です。
自分の子どもを預ける立ち場を想定し、保護者が何を求めるのかを考えてみてもいいですね。
価値観の押し付けは絶対NG!
「保育士の価値観をおしつけること」はNGです!
保育士は子どもたちに関わる中で、保育士としての専門的な価値観が生まれてきます。でも保護者は、保育のプロではありまん。
立場が違う保護者との価値観がイコールであるはずがないんです。
正直これは、長年保育現場に努めていると、いつの間にかそう感じてしまっていることに気が付きます。
「家でのこんな対応はありえない!」
「普通はそんなことしない」
ほんと~に、申し訳ないんですが、私もこれはよく保育士間で声に出してしまいます。
「あなたの価値観=相手の価値観」ではない、ということは大前提として理解しておきましょう。
「私の価値観とは違うけど、この保護者は、こういう考え方なんだな。」「こういう場合もあるかな」など、『相手の価値観をひとまず受け入れる』努力をしてみましょう。そうすることで、保護者はあなたを味方と認識してくれ、今後の支援がしやすくなるはずです。
受容・傾聴・共感を意識する
受容 ≠ 許容
許容ではなく受容です。
「許容」 は大目に見て許すという意味合いですが、「受容」は、ありのまま「受け入れる」という意味合いです。
主に人の存在や意見、感情などを認めて尊重する場合に使用し、相手の存在や意見、感情をありのまま受け入れる様を指します。
つまり、許す許さないは関係なくそこにあるものや相手を否定、評価しないということです。
保育所を利用する保護者は育児と仕事に追われ、不安や悩みを抱えているケースが多いものです。
なかには、育児のプロである保育士に相談したり、愚痴を聞いたりしてもらいたい保護者もいるかもしれません。
そんな相手の行動の根底にある思いを受け入れ、理解しようとする姿勢を大切にしましょう。
傾聴(聴く)≠ 聞く
「聞く」は黙っていても耳に入ってくるイメージで、「聴く」は、積極的に耳を傾けるイメージの言葉です。なので、「聴く」を心がけましょう。
相手の話をよく聴くこと=傾聴することです。
つまり、相手のおかれた状況や思いを理解するために、想像を巡らせながら聴くことです。傾聴することで、保護者が相談しやすい環境をつくることができます。
もし保護者から話があったときは、傾聴を意識しましょう。
共感 ≠ 同調・同情
「同情」は、不幸な人を「可哀そうだと思ったり、哀れんだりする」という意味合い。「同調」は、「相手と対立することなく調子を合わせること」や「相手の意見・行動に賛同して合わせること」を意味。
ここでのポイントは「共感」です。
「共感」とは、「相手の感情に寄り添って推測し、自分もその感情を共有しようとすること」です。その場限りでなんとなく相手の気持ちを受け入れるのではなく、「他者の気持ちを本心から理解しよう」という姿勢を心掛けてください。
「そうなんですね」「よくわかります」などの言葉を使うと、共感している気持ちがより伝わりやすくなりますよ。
真摯に話を聞くことで保護者が心を開いてくれるようになり、保護者と強固な信頼関係を構築することができるでしょう。
連絡帳を活用する
保護者と担任の先生との最大のコミュニケーションツールである、連絡帳を積極的に活用しましょう。
送り迎えの短い時間でコミュニケーションが十分に取れていないと感じているのであれば、連絡帳を通じて子どもの様子を伝えてください。
子どもの日々の様子を知ることができる連絡帳を、大事な伝達手段だと考えている保護者もいます。
子どもの楽しそうな様子や成長を感じられる内容は、読んでいるとうれしくなるものです。
あとから読み返す人もいるので、保護者が大切にとっておきたくなるような、ポジティブな内容を書くことをおすすめします。
ネガティブな表現は避けて
補足ですが、連絡ノートにはネガティブな報告は書かないようにしましょう
保護者対応では、ネガティブな内容を伝えなければならないこともあります。
しかし、ネガティブな内容を連絡帳や電話で伝えると表情が見えないため、冷たいと感じてしまう保護者の方もいます。
保育士としては負担が大きく感じるかもしれませんが、事務的な対応にならないように、ネガティブな報告は口頭で伝えるように徹底しましょう。
身だしなみを整える
保育士は、ご両親や祖父母など、さまざまな年代や考え方を持つ人と関わる機会がありますよね。
保護者を含めあらゆる人から信頼を得られるように、身だしなみを整えることも大切です。
保育士の身だしなみは、清潔感と安心感を意識すると良いでしょう。
次のポイントを満たせているか、チェックしてみてください。
- 長い髪の場合は結んで清潔感のある髪型にする
- 暗めの髪色にする
- 動きやすく保育に適した服を着る
- 派手なメイクは控える
- 装飾品などは身に着けない
何年目の先生であろうと、「先生」は「先生」です。小さな子どもと関わる仕事なので、おしゃれはプライベートな時間だけにし、清潔感を心掛けてください。
保護者からの印象もグッと上がると思います。
園長や主任に相談する
保護者からの質問のなかには、判断に迷うものもたくさんありますよね。
しかし、あいまいな返答をすると保護者を困らせるだけでなく、新たな問題を引き起こす可能性があります。
答えに迷ってしまった時には、「園長に聞いておきます」等の返答のみにして、曖昧な返答は避け、園長や主任に相談しましょう。
保護者としてはすぐに返答がほしいと思っているかもしれませんが、一度待ってもらうことで、真剣に問題に取り組もうとしている印象を持ってもらうこともできます。
分からないことや、困ってしまうことは誰にだってあります。
一人で抱え込まないようにして、園全体で問題を共有して解決してく姿勢を見せることが重要です。
まとめ
最後にもう一度、紹介した改善策を紹介します。
- コミュニケーションをこまめにとる
- 日頃から丁寧な保育をする
- 丁寧な言葉遣いを心がける
- 保護者の背景を考慮する
- 受容・傾聴・共感を意識する
- 連絡ノートでのやり取りを大切にする
- 身だしなみを整える
- 園長や主任に相談する
紹介した保護者対応のコツの中から、少しでも自分の中に取り入れて実践に移してみてはいかがでしょうか。保護者との関係は一日にしてならず。
厳しい言い方かもしれませんが、明日一日だけ努力しても保護者との良好な関係を築きあげることはできません。
少しずつで大丈夫です。
ときには、同僚や上司に話を聞いてもらいつつ園全体として保護者との良好な関係を築き、肩の力を抜いて対応でできることを応援しています。
保護者との良好な関係を作って、雰囲気の良い園にしていきましょう。
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