園内のチームワークを高めるために必要な「コミュニケーション能力」。
先生の中には「私は口下手だから・・・」とコミュケーションを憂鬱に感じている人もいるようです。
- 先輩を前にすると、緊張して何を話したらいいのか分からなくなってしまう。
- 会議になると、自分の意見が思ったように言えない。
- そもそも、他の先生に何を話しかけていいのか分からない。
こんな悩みを抱えている人に、コミュニケーション能力を高める4つの方法を伝授!!
今まで悩んできた先生!大丈夫ですよ!
紹介する4つのコツを押さえて、「私は口下手だから・・・」なんて卑下な発言は今すぐやめましょう!
目次
①何について話したいのかを明確にする
自分が何について話しているのかを相手が理解してくれていると思っていませんか?
もちろん、言わなくても理解してくれている先生もいるかとは思いますが、例えば「昨日の件、保護者に伝えておきました!」といきなり言われても、相手にしたら「え、何だっけ?」と感じることも。
そこで会話のテクニックとして身に着けてほしいのが「自分が何について話すのか」を明確にすること。
「〇〇のことですが・・・」
まず、相手に話かける際に、「〇〇のことですが・・・」と自分が何について話し始めるのかを明確にしましょう。
例えば先ほど紹介した例で考えてみます。
具体例①
例具体①
「先日の件、今日保護者に伝えておきました。」
この文だけ聞いても、咄嗟にどんな要件だったのか理解しにくいですよね。
そこで、自分の議題について最初に相手に伝えてみます。
↓↓
具体例①
「先日お話していた、Aちゃんの保護者対応の件ですが、今朝の送迎時に伝えておきました。お母さまが『承知しました。』と仰ってみえました。」
このように、「〇〇の件ですが」と話の最初に付けること。
それを受けて、どうなったのか、という答えを伝えること。
このような方法で、相手との会話にずれが出ないように心がけると「会話力」がグンとアップします。
もっとイメージしやすいようにいくつか具体例を紹介しておきますね。
具体例②
具体例②
H君のママに、家での様子を聞きましたが、やはり家の食事時間も園と同じような姿のようです。
H君は食事に困っている!!というお互いの共通認識があれば、、なんとなく通じるかもしれませんね。
でも話の始めに議題を伝えてみるとどうでしょうか。
↓↓
具体例②
先日話していた、H君の好き嫌いが激しいという件ですが、今日H君のママに、家での様子を聞きました。やはり家の食事時間も園と同じように激しく好き嫌いをしているとのことでした。
このように、「〇〇の話ですが・・・」と最初に話の土台を作ることで、相手が話の背景を想像しやすくなり、より会話がスムーズになります。
具体例③
具体例③
「体育館の準備を明日までにお願いね」
後輩への指示というイメージの一言ですが、これを相手がすぐに理解できるように言い変えてみましょう。
↓↓
具体例③
「土曜日に体育館で行う参観の準備だけど。壁の飾りつけは、明日までにお願いね」
先輩保育士からの一言でも、「〇〇のための・・・」など、最初に話の議題を伝えると会話がよりスムーズになります。
相手の立場になって考える
先ほどと同じようなことかもしれませんが、話す内容について相手の立場になって考えてみると、会話がよりスムーズにできるようになります。
具体例①
先ほど、プリントを印刷して職員室の机に置いておきました。いつ配布しますか?
察しの良い先生なら、「学年だよりのことかな?ありがとう!今週の金曜日に配布しようか!」と返事が返ってくる可能性もありますが、もう少し伝わりやすい言い方に変えてみましょう。
↓
具体例① 言い換えバージョン
先日お話しした、学年だよりの件ですが。
先ほど印刷をし、S先生の机に置いておきました。子どもへの配布はいつにしますか?
「〇〇の件ですが・・」に加えて、更に具体的な内容を伝えるような言い方に変えてみました。
自分の中では、色々と考えた段階や過程があり、その結果を声に出していると思います。しかし、相手にしてみたら、それは突然の話。
コミュニケーションというのは、一方定期に自分の意見だけを伝えるものではありません。
- どんな案件なのか
- 何をどうしたのか
- 質問内容
話す内容に、このようなポイントが含まれているかどうかを心掛けてみましょう。
②報連相を心がける
口下手がゆえに、ちょっとした出来事を相手に伝えることを避けていませんか。
「なんて伝えたらいいんだろう・・・」「どこまで伝える必要があるんだろう・・・」
そんな風に迷っている間に、話すタイミングを失ってしまい、どんどん伝えづらくなってしまっている可能性があります。
口下手で、相手に話しかけることが苦手という意識を持っているかもしれませんが、まずは「報連相」を心掛けてください。
迷ったらすぐに相談
話かけることに対し、人並み以上に気合いがいるかもしれませんが、「迷った時はすぐに相談」を心掛けましょう。
自分の中で、「ひとまず全部終わってから報告しよう」と思っていると、実は相手との捉え方にずれができてしまっていることもあります。
ズレができてしまってからだと、取り返しのつかないことになる可能性も・・・
こまめにコミュニケーションを取ることで、少しずつ会話力も身につくようになり、相手の気持ちを考えた言い回しができるようになります!
いきなり会話上手になることは難しいので、少しずつ経験を積んでいくようにしましょう。
③話しの流れのコツを身に着ける
相手に伝わりやすくするためにはコツが必要。
でも、保育士になる過程で、「会話力」「伝達力」「コミュニケーション力」などのコツを学ぶ機会はなかったのではないでしょうか。
実は話し方にはコツがあるんです。この方法を意識するだけで、グンっと会話力がアップするので、是非試してみてください。
PREP法を意識する
PREP法と言うと少し難しく感じるかもしれないので、簡単に説明していきます。
PREPはPoint・Reason・Example・Poin の頭文字です。
Point(結論) | 言いたいことを伝える |
Reason(理由) | なぜそう思うのか理由を伝える |
Example(事例) | 事実や具体例を述べる |
Point(まとめ) | もう一度要点を伝える |
冒頭で結論を述べた後に、理由や事例をはじめとした詳細を伝える方法で、事前に話す内容が整理された上で会話に発展しているため、聞き手に会話を理解するためのストレスをかけにくいメリットがあります。
このような話し方を意識することで、自分が言いたいことが確実に相手に伝わるようになります。
PREP法の使い方
話し方のコツを理解しても、イメージが湧きにくいと思うので、いくつか具体例を紹介したいと思います。
【具体例①】ペアの先輩へ、園児の怪我の報告
Point(結論) | 昨日のE君の口の怪我の件ですが、無事回復傾向にあるそうです。 |
Reason(理由) | 今朝、E君のご自宅に電話したところ、お母さまがそのようにおっしゃって見えました。 |
Example(事例) | 食事中に痛がることもなく、いつも通りの食事ができたとのことでした。 それ以外にも、変わった様子はないそうです。 |
Point(まとめ) | 無事回復傾向にあるようです。 |
【具体例②】参観日の書類について
Point(結論) | 来月の参観日の件ですが、希望日調査の紙とともに、保育内容のお知らせを出すことに決まりました。 |
Reason(理由) | 前回の参観の際、保育内容も教えてほしかったという保護者の声が多数ありました。 |
Example(事例) | 保育内容を知らせることによって、保護者の方たちが我が子のどんな活動を見たいのか、を選択できるようにしようと思っています。 |
Point(まとめ) | なので、参観日の保育内容を書面にして用意してください。 |
実際の場面を想定したり、過去にうまくいかなかった話し方を思い出したりしながら、一度自分の言葉で言い変えてみると、より自分の血肉になっていきます。
【具体例③】 実際に考えてみる
例えば、保育参観の反省を先輩先生に話すときのことを思い浮かべてみてください。
Point(結論) | 昨日の保育参観の件ですが、泣き始めてしまう子もいたのですが、全体としてはとても和やかな雰囲気で行うことができました。 |
Reason(理由) | おうちの方に発表を見てもらっている子どもたちは、とても誇らしげで、保護者の方もとても嬉しそう見てくださっていたように思います。 |
Example(事例) | Tくんのお母さまは、帰りがけに「人前に立って、一生懸命歌を歌っている我が子の成長を感じることができて、とても嬉しかった」とお話していかれました。 |
Point(まとめ) | とても落ちついて、和やかな雰囲気の保育参観ができ良かったと思います。 |
無理やりPREP法に当てはめようとすると、逆に難しい文章になってしまうかもしれませんが、話すときの最終地点がどこなのか、を意識できると、より話すことへの抵抗が少なくなると思います。
④上手に話そうとしなくても大丈夫
話すことが苦手な人ほど、「うまく話さなきゃ」「言い間違いをしないように話そう」などと考えがち。でも保育士間の会話はもっとフランクで大丈夫です。
うまく話せなかったら、「うまく説明するのが苦手なのですが・・・」と話し始めに一言言ってもいいんです!
言い間違いをしても、「言い間違えました。〇〇です」といい直せばいいんです。
もし職員会議などで、自分の意見を発表しなければいけないのであれば、言いたい内容を事前に考え紙に書いておくのも一つの手。
口下手だから・・・とマイナスに考えず、少しずつ経験を積んでいき、話すことへの抵抗を少なくしていってほしいと思います。
話し方の4つのコツ【まとめ】
最後にもう一度、今回紹介した話し方のコツをまとめておきます。
話すことも、保育と同じで経験が必要。
自分の意見がサッと頭に浮かんでこない・・・なんていうこともあるかもしれませんが、経験を重ねていくことで、自分の保育に関する概念の芯が出来上がり、返答がスムーズにできるようになってきます。
口下手だから、会話が上手くできないとあきらめるのではなく、日々勉強です!
一緒に素敵な保育士目指して頑張りましょう!
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