先輩保育士との関係が難しい
上からも下からも板挟みで悩みが増えた
保育歴が6~8年ほどになってくると、今までとは違った悩みが増えてくるのではないでしょうか?
そこで今回は、中堅保育士さん向け。先輩保育士さんとの良好な関係を築くための話し方について掘り下げていきます。
場面ごとにイメージしやすい構成になっているので、明日からすぐに使ってみてくださいね。
目次
先輩保育士への「敬意を込めた肯定語」
日々の保育現場、みなさんはどのような気持ちで先輩と接していますか?
中堅保育士として、職場の雰囲気や後輩への影響にも少しずつ責任を感じ始めるタイミングですよね。
その中で、先輩との関係を築くための「敬意を込めた肯定語」とはどういう言葉なのか。またそれがどれだけ役立つか、改めて一緒に考えていきましょう。
敬意を込めた肯定語とは?
保育士の現場はいつも忙しく、日々の業務に追われがちですが、その中でも先輩から多くの知識や知恵をもらって成長してきたこと、ふと思い出す瞬間はないでしょうか。
敬意を込めた肯定語とは、相手の存在や行動を尊重し、感謝や信頼を表現するポジティブな言葉のこと。
特に先輩に対して使う場合、相手の経験や努力を認めることで、職場内での円滑なコミュニケーションを促します。
「頼りにしています」
「教えてくださり、ありがとうございます」
例えば「頼りにしています」「教えてくださりありがとうございます」などの表現は、相手の行動に感謝を示し、より良い関係を築くためのきっかけとなります。
こうした肯定語を使うことで、相手が自信を持つだけでなく、発言する側も感謝や敬意を言葉にすることで、前向きな姿勢を維持できるんですよ。
肯定語を使うメリット
肯定語を使うことのメリットとして以下のことが考えられます。
先輩との信頼関係が深まる
円滑なコミュニケーションが生まれる
職場全体が明るくなる
先輩との信頼関係が深まる
「頼りにしています」や「教えてくださってありがとうございます」といった言葉を声に出して、嫌な気持ちになる人はいないですよね。
こうした言葉を日常的に使うことで、「後輩は私のことをちゃんと見てくれている」と感じてもらえ、自然と関係がスムーズになり、先輩保育士との信頼関係がより深まります。
円滑なコミュニケーションが生まれる
また、否定的な言葉よりも、肯定語はお互いの気持ちを軽くし、話しやすい空気を作ります。
「安心して相談できます」と声をかければ、先輩も次にアドバイスをしやすくなりますよね。「気軽に話せる雰囲気」は肯定語の力で生まれるんです
職場全体が明るくなる
肯定語を積極的に使う人がいると、その明るさが周りに伝染します。
たとえば「一緒に働けて嬉しいです」と言われると、言われた先輩だけでなく、周りもあたたかい気持ちになります。職場が明るくなれば、日々の業務も楽しくなりますね。
少しの言葉の工夫で、今よりもっと居心地の良い職場環境が作れるなら、それは中堅保育士としても嬉しいことですよね。
日常的にこれらの言葉を取り入れると、職場全体の雰囲気が明るくなり、互いに協力しやすい環境が生まれます。敬意を込めた肯定語は、働く人々の信頼関係を深める大切なツールということを覚えておいてください。
敬意を込める肯定語の基本的な考え方
肯定語を使ったコミュニケーションって大切なんだな。と理解していただけたところで、次のステップです!
肯定語を声に出すときの基本的な方法を身に付けていきましょう。
基本的な考え方を3つにまとめてみました。
- 感謝と学びの姿勢を伝える
- 頼りにしていると示す
- 日常の工夫や改善点に気づき、感謝を伝える
①感謝と学びの姿勢
先輩が教えてくれることに「ありがとうございます」「勉強になります」と感謝を伝えると、「この人は素直に学ぶ姿勢を持っている」と先輩に感じてもらえるはず。
感謝を示すと、相手も教え甲斐を感じ、より親身にサポートしやすくなるので、感謝と学びの姿勢を忘れないようにしましょう。
心理学で「感謝の表明」は相手の承認欲求を満たし、相手にポジティブな感情を抱かせると言われています。
感謝を伝えることで相手の自己評価が上がり、その人自身が職場での意欲や協力の姿勢をより強化しやすくなると言われています。
②頼りにしていると示す
「〇〇先生がいてくださると心強いです」など、信頼していることや頼っている姿勢を伝えることで、先輩も「頼られている」という自信と責任感を持ちやすくなります。
先輩としては、後輩から頼りにされることは嬉しいこと。
頼ることで人間関係が深まり、双方に安心感が生まれますよ。
「人間は他者から頼られることで自己効力感が高まる」という研究結果が脳科学でも立証されています。
他人に頼られることは、自己有能感を感じさせ、仕事に対する前向きな姿勢を引き出しやすくなるため、相手の自信とやる気にもつながります。
③日々の姿勢や成長を具体的に褒める
「〇〇先生の工夫、いつも見習いたいと思っています」といった形で、先輩の日常的な努力や工夫に対する具体的な言葉かけをすると、相手も「自分の行動が周りに良い影響を与えている」と自信を持ちやすくなります。
先輩自身も自己成長に対してより前向きになり、職場全体の士気が上がることに繋がる考え方ですね。
認知心理学では「肯定的なフィードバックが行動を強化する」とされています。
具体的な言葉で褒めることで、相手の肯定的な行動を持続的に促す効果があり、職場のポジティブな雰囲気作りにもつながります。
参考文献
- Fredrickson, B. L. (2001).
- 「ポジティブ心理学におけるポジティブ感情の役割:ポジティブ感情の拡張-形成理論」
- アメリカン・サイコロジスト, 56(3), 218-226.
保育現場での実例を紹介
職場の先輩保育士に敬意を込めた肯定語を場面ごとに使い分けることで、自然に感謝や尊敬の気持ちを伝えることができます。
次は実際の場面を想定し、どんな肯定語で敬意を込めるといいのを紹介していきます。
自身の出来事に置き換えて、イメージしながら読み進めてください。
日々の業務中の会話
状況①:朝の準備中、先輩が保育室の環境を整え、子どもたちが楽しめる工夫をしているのを見て
「〇〇先生の工夫、見習いたいです!」
日々の業務の中で、先輩が保育環境に工夫を凝らしている姿を見たときにかける一言です。「その工夫、素晴らしいですね。見習いたいです」と伝えると、先輩に対する尊敬と学ぶ意欲が伝わります。
言われた側も、後輩にとって良いお手本になれていることを実感でき、喜びを感じてもらえます。
状況②:昼休みの会話で、先輩が子どもたちへの接し方についてアドバイスをくれたとき
「〇〇先生のやり方、すごく参考になります!」
具体的な場面を参考に「いつも参考にしています!」と伝えることで、日常のアドバイスや気づきを丁寧に受け止めていることが伝わります。
こうした言葉かけにより、今後もアドバイスをもらいやすい環境が作られます。
日常業務の中では、さりげない会話で先輩の仕事ぶりやサポートに感謝を示すと、自然に良い関係が築けますよ。
行事やイベントの準備中
状況①:運動会の準備中、先輩が行事の進行や子どもたちの配置を手際よく指示しているとき
「頼りにしています!先輩がいると安心です」
緊張が高まるイベントの準備で、手際よく対応している先輩に対して「頼りにしています」と伝えると、相手も自分の役割が周囲の支えになっていることを実感できます。
「先輩がいると安心です」と続けると、より信頼と感謝の気持ちが伝わり、プレッシャーの中でもお互いに支え合える環境を作れます。
状況②:イベント準備の合間に、先輩が小さな工夫を加えているのを見て
「〇〇先生のアイディア、さすがです!参考になります」
細かい部分まで気を配る先輩に対して「さすがです」と褒めることで、先輩の経験や工夫を敬意を持って認める気持ちが伝わります。特に、行事やイベントの準備は気配りが多く必要な場面が多いため、こうした言葉が相手にとって励みになります。
行事やイベントの準備期間は、忙しさやプレッシャーが高まる時期です。特に経験豊富な先輩がスムーズに進行している姿を見て、敬意と感謝の気持ちを素直に伝えることで、協力関係をさらに深めることができます。
業務終了後の感謝の場面
状況①:一緒に行事の準備や片付けを終えた後
「今日もサポートしてくださり、ありがとうございました!」
日常の業務や行事の準備が終わった後に、先輩が自分をサポートしてくれたことに対して「ありがとうございました!」と感謝を伝えることで、その日のフォローやアドバイスを大切にしていることが示せます。
感謝の気持ちを伝えることは、自分も見守られているという安心感につながります。
状況②:長期的な行事が無事終了したとき
「〇〇先生と一緒に頑張れて嬉しかったです!またご一緒できたら嬉しいです」
特に大きな行事やプロジェクトが終わった後は、達成感と感謝の気持ちを込めて、次回も一緒にやりたいという気持ちを伝えると、先輩も一緒に取り組む価値を感じてもらえます。
仕事を終えた後に伝えると、先輩にとっても心地よい言葉として響きやすくなります。
一日の業務を終えた後は、特に疲れを感じやすい時間です。このタイミングで感謝や労いの気持ちを伝えると、先輩も「頑張ってよかった」と感じてもらえますよ。
【おすすめ】先輩に対して敬意をこめた肯定語一覧
最後に、今まで紹介した肯定語も含めて一覧にしておきました。今後の人間関係の参考になると思うので、是非イインプットしておいてくださいね。
肯定語の表現 |
---|
いつも頼りにしています! |
おかげで成長できました。 |
ご指導いただき、ありがとうございます。 |
〇〇先生のようになりたいです。 |
本当に尊敬しています。 |
ご一緒できて嬉しいです! |
いつも見習いたいと思っています。 |
教えてくださって助かりました。 |
〇〇先生のおかげで自信がつきました。 |
さすが〇〇先生ですね! |
〇〇先生のアドバイス、すごく参考になります。 |
安心して仕事ができます。 |
どんな時も頼もしいです。 |
〇〇先生の知識、本当に助かります。 |
細やかな配慮、ありがとうございます。 |
本当に勉強になります! |
支えてくださり、心強いです。 |
〇〇先生がいてくださると安心です。 |
いつも気にかけてくださり、感謝しています。 |
〇〇先生がいるから頑張れます! |
保育士の仕事はチームで進めるもの。
先輩への感謝や尊敬の気持ちを伝えることで、職場の雰囲気がポジティブに変わっていきます。
「頼りにしています」や「教えてくださってありがとうございます」といったちょっとした肯定的な言葉が、あなたと先輩との関係を一層深めるきっかけになりますよ。
これを読んでくださっている先生!
次に先輩からアドバイスをもらったときには、心からの肯定語をぜひ使ってみてくださいね。
肯定語を心掛けるだけで人間関係は必ず良くなる
いかがでしょう・・・声のかけ方をイメージできたでしょうか?こうした具体的なシーンに応じた声かけは、言葉だけでなくその場面に合わせた気持ちを込めることで、より深い信頼関係を築く助けとなります。
意図することは分かったけど・・・
先輩にそんな声をかけるなんて、なんだかおこがましい・・・
という声が聞こえてきそうなので、その点に関しても私の考えをお伝えしたいと思います。
今紹介したような声をける事は、とても勇気のいることで、なんだかためらってしまうと思ってしまう先生もいるかもしれませんが、変えるかどうかは先生次第!
ちょっとした心がけで、園内の人間関係はグンとよくなります。
もしそんな声をかけづらいという園の雰囲気があるとしたら、今この実践方法を身に付けた先生発信で変えていけばいいんです。
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もし、それでも困ってしまう・・・という悩みのある先生はいつでも相談に乗りますよ。
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